■実習について | |||||||||||||||||||||||
1)実習の種類 | |||||||||||||||||||||||
*実習は、施設実習と在宅実習あわせて2年間で12週間実施します |
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2)実習先 | |
本校は、品川区・大田区・横浜市を中心に、特別養護老人ホーム・老人保健施設・重度障害者施設・訪問介護事業所・グループホームで実習しています。 |
3)実習を決めるポイント | ||
(1)所要時間 | 自宅から施設まで無理なく通えるよう考慮します。 | |
(2)就職希望先 | 特に第3段階実習は、希望する就職先と同種の施設で実習できるよう考慮します。 |
4)「実習を体験して」 − 実習生(在校生)のコメント | |||
第1段階実習 | 初めての体験 | 武藤 亜純 | |
実際に毎日施設で実習をし、職員の方の動きや利用者に対するコミュニケーションの図り方を見て、やはりすごいなと思った。長い時間一緒にいるからか、お互いの信頼関係がきちんと築けているのだなと感じた。施設内はとてもきれいで、安全面がしっかりとしていた。例えば、エレベーターもボタンを押せない様になっていて、認知症の利用者が一人では乗れない様になっていた。手すりも全ての壁に付いていて、車椅子の利用者が片手でそれを使い移動しているのを何度か見かけた。はじめの頃は「押しましょうか?」と声をかけてしまっていたが、利用者のADLの低下をなくす為には、自分で出来る事はやって頂いた方が良いと思ったので、「これにつかまって行って下さい。」と言うと少しずつ手すりを使い歩いていた。基本的に行った介護は食事とトランスファー等だった。食事は職員の方に介助方法を指導して頂いて行った。慣れると上手く出来、時間もかからず、出来る様になっていった。トランスファーも注意すべき点を言われ、職員の方と一緒に行った。実際の利用者に対して行うのははじめてだったので、とても緊張した。まだ見学が主であった第1段階実習だったが、勉強になる事は多くあった。利用者に対しての接し方も、上手く出来れば、信頼関係が築かれ、相手の事も知る事が出来、それを活かした介護技術の提供も出来るのではないかと思った。もっと、長い時間一緒にいればそうなるかなと思った。何でも積極的に行動していた為、とても充実した実習になった。職員の方も優しく、雰囲気の良い施設だった。これからまた知識をつけ第2段階実習につなげたいと思った。 |
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第2段階実習 | 第2段階実習を振り返って | 三瓶 奈緒美 | |
私は今回、4週間の実習中、介助を行う際どうしたら利用者の方に不快な思いをさせてしまう事がないかを、前回の実習より考えて行うようにしました。声をかける時も、どのくらいの声の大きさで、どのくらいの速さでどの様な内容にすると伝わるのかを学びました。 食事介助も、何日間か同じ利用者の方の介助をさせていただいた際、「食事」に表われる体調の変化を感じる事ができました。朝食の時は咀しゃく、嚥下の様子も良く、全量召し上がっていらっしゃったのに昼食は食も進まず、全量召し上がりませんでした。この様な場面で身体面でどの様な事に注意すれば良いのかなどを学びました。 着脱介助の際は、利用者の方の一人一人、拘縮や麻痺の状態、好みの服の素材が違うので学校で習ったような着脱方法では対応できず基本をもとに、応用された着脱方法を知った上で介助を行うことの必要性を身にしみて感じました。 痴呆症状のある方の訴えに戸惑い、どの様に対応して良いのか分からず、不安になってしまいましたが、職員の方から話しを聞いたり、見て学んだ事を第3段階実習に活かし、どうすれば良いのかもっと学んでいこうと思いました。 また、コミュニケーションを図る上で、今の高齢者の方々の時代背景を知り、知識として身につけるとともに、様々な事に興味を持ち、話題に出来る種類の幅を広げ、色々な方と関われるようにしていきたいと思います。 |
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第3段階実習 | ほうれんそう(報告・連絡・相談) | 坂山 有希子 | |
希望していた救護施設での実習が決まり、とても実習を楽しみにしていた。しかし、いざ実習が始まると“怖い”と感じてしまう事があった。今までに接した事のない利用者様にどう接したら良いか分からずに戸惑う事が度々あった。 今回の実習では統合失調症を抱える利用者様と関わりを持ちたく、統合失調症の症状等について学んではいたものの、実際に接するのはとても難しい事だった。先程までは楽しく会話が出来ていたのに、少し経つと話しかけても無反応であったり、怒り出してしまう事もあった。そのような時は利用者様の状態の変化を観察する事が重要だと感じた。いつも眠そうにウトウトしていたりする利用者様が多く、その理由は統合失調症の薬の副作用である事等、職員の方からたくさん学ばせて頂いた。救護施設は特養のような直接介助ではなく自立を助長する事に重点をおいた見守り介助、精神サポートを中心とした実習を体験し、自分が発する言葉、一言一言に責任を持たなくてはならない。介護者の一言で利用者様を興奮させてしまったり、傷つけたりしてしまう事もあり得ると感じた。そして、コミュニケーションの難しさ、大切さを多く学んだ。施設を生活の場とする利用者様と毎日を共にするには信頼関係が必要不可欠であった。職員間や他職種との連携をうまく図るためには記録や申し送り等、情報共有の重要さ、その中で「報告・連絡・相談」の重要さ、それとともに支援のあり方について学んだ。 5週間という短い期間の中で利用者様をはじめ、職員の方々からたくさんの事を学ばせて頂いた。救護施設でしか学べなかった事を今後に活かし、利用者様本位の介護(及び見守り)をしていきたい。 最後に光華寮で実習が出来て本当に良かった。 |
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在宅介護実習 | 在宅生活の現状を知って | 佐々木 愛 | |
在宅介護実習では、施設入所すると車椅子使用になるのではと思う方がたくさんいました。しかし、自宅でテーブル、柱、壁に伝い歩き、四つ這い位で歩く方、平行棒を使用し、台所とベッドを自由に歩く方などを観て、「自立」とは1人1人異なり、その方がどのような生活をこれから望むのかが大切なのだと思いました。施設でのリハビリテーションにも疑問が浮かび、自宅でどの様な生活を希望するか、家の間取り等を把握する必要があるのだと学びました。 私は今までバリアフリー住宅でないと自宅で生活するのは困難だと思っていたのですが、安易にバリアフリーにすると、その方のADL低下が起こることも知り、その方に本当に必要な物は何か考えることが重要だと学びました。そのためには、利用者、家族の要望、ニーズ、疾病障害の理解、地域社会とのつながりを知り、信頼関係を築くことが一番大切なのだと学びました。利用者と職員の関係を観ていると、精神的支え、相談相手だったりと温かい介護があった気がします。 その人らしく住み慣れた土地で出来るだけ長く生活するということの大切さ、難しさ、温かさに触れた実習でした。この実習で学んだことを忘れずに介護従事者となった時、援助をしていきたいと思います。 |
5)実習の特色 − 在宅実習が充実しています | |||
(1)実習は1週間(5日間)実施します。(他校は平均2日間) (2)実習先の種類が豊富にあります。 在宅介護支援センター・社会福祉協議会・福祉公社 NPO(特定非営利活動法人)・民間指定居宅介護サービス事業者 グループホーム |
■施設見学 | |||||||||||||||||||||||
学内での学習だけでなく、福祉に関わる施設の見学を通して、施設の役割、入所者や介護に携わる専門職について理解を深めています。 |
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「知的障害者の介護について」 | 2年 高橋 学 | ||||||||||||||||||||||
事前学習として、施設の設置目的・法的根拠・理念・運営の基本方針を確認し、見学で学びたいこと、質問したいことをまとめていた。しかし、職員の方の説明や実際の援助場面、施設全体の見学と約3時間、知的障害者施設について理解することは、非常に困難だった。 そうした中でも、1つ大きな変化、学びがあった。支援内容の説明の中に「気持ちを落ちつかせる介助」ということを述べられていた。そのことについて質問すると、「言葉ではなく相手を抱きしめて、心臓の音を感じること」といったお答えだった。 私はその言葉をすぐに把握することができなかったのである。だが、施設内を見学している際に事件が起こった。10代後半か20代前半ほどの男性の利用者の方が、私に向かって近づき「お兄ちゃん、お兄ちゃん」と抱きついてこられた。咄嗟にその利用者の方と同じように抱きしめた。そのまま会話を続けるとさらに強く抱きしめてこられる。私もその力につられ利用者の方を抱きしめかえした。 今でも何故彼があのような行動をとられたのか、わからないままである。しかしながら彼と抱き合ったことが気持ちを落ちつかせる介助だったのではないかと私は考える。心臓の音は感じ取れなかったけれど、不思議と初対面なのにもかかわらず親密感・温かさを強く感じ取ることができた。 私は、コミュニケーションを図ろうとする際、どうやって会話を進めていこうかと考えてしまう傾向があった。障碍者の心理の講義の中でも「する側」「される側」の立場、また協働の関係を構築することの重要性を思い出した。知的、精神、身体と様々な障碍を持った方に接する時に会話というコミュニケーションが困難な場合もある。 スキンシップという言葉がある。この言葉を辞書で調べると、「肌と肌の触れあい」という説明で記されている。私はこの言葉に「心と心の触れあい」ということをさらに付け足した。 「気持ちを落ちつかせる介助とは」スキンシップなのだろう。これから、福祉の道を歩みだそうとしている私に、彼から大切な基本の精神、そして大きい力を与えていただいたと感じる。 |
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「理想のリハビリ環境」 | 2年 黒澤 智子 | ||||||||||||||||||||||
国立職業リハビリテーションセンターの見学では、利用者の方の能力の高さに驚いた。障害をかかえていない人よりも、遥かに能力が高いと感じた。差別的な考えを持って言っているわけではなく、見学を通し、ただ素直にそう感じた。作品の一つ一つが丁寧に作られていて、皆さんの真剣さが作品に表われていた。どれも売り物になるような作品ばかりで、私も買いたくなる物ばかりだった。 地方からの入所希望者も多いと聞いたが、充実した施設の環境や設備を知り、地方から来る方々の気持ちがわかるような気がした。東京や埼玉などの地域だけでなく、地方にもこのような施設が増えると良いと思う。 病院では、聴覚障害者の方々が生活している建物の廊下には厚めのじゅうたんが敷いてあり、足音を防ぐようになっていたり、医師と利用者が一対一で治療を行う等、工夫や治療への心配り、熱意を感じた。 緊急時の対応として、エレベーター内にカメラをつけ、聾唖の方の為のホワイトボードや、エレベーターの入口をガラス張りにしていたり、居室にはテレビがあり、災害時には、文字が写し出されたり、手話で避難指示を出したりと、配慮にも感動した。高齢者施設にも、そのような工夫や配慮が増えていくようにしたい。 私は、老人保健施設に就職が決まった。在宅生活への復帰につなげる場としての機能・役割のある施設だが、現実問題、特別養護老人ホームに入所するという待機状態になっている。国立リハビリテーションセンターのように、社会復帰、在宅復帰にもっと確実につながるような施設造りをしていけたらと思う。 今回の見学では、考えさせられる事が多く、とても勉強になった。 |
「施設見学をして学んだ事」 | 1年 田中 千佳 | |
私は、この学校に入学して初めて見学に行かせて頂いたのは、京急線の雑色駅から徒歩7分程の「特別養護老人ホーム大田翔裕園」と「老人保健施設大田ナーシングホーム」でした。 今年の4月から開設されたという事で、とても綺麗な建物でした。なるべく外から見るとマンションのように見えるように建設されているという事を聞いて、確かに外から見たら「老人ホーム」とはあまり分からないなあと思いました。施設を設計してから建物が完成するまで約4年間かかり、建設費は27億円と聞いて、かなり驚きましたが、やはり作りはすごくて、床は転んでもケガをしにくい床や、手すりもどんな人でも握りやすい裏にくぼみがあるもの、居室は和風で障子がついていたり、ベッドか布団を選べるという事で利用者さん中心でとても良い施設だと思いました。 「特別養護老人ホーム」と「老人保健施設」を両方見学させて頂き、やはり「老人保健施設」の方がレクリエーション等を活発に行っていて、元気な方が多いという事が分かりました。 最後に私達は、「特別養護老人ホーム」で七夕に近いので「七夕さま」とお年寄りの方が分かる「故郷」を歌わせて頂くと、利用者さんも一緒に歌ってくれて、喜んで下さり、とてもうれしかったです。お年寄りの方は外から来た人でも、やさしく受け入れてくれる事が分かり、うれしく思いました。 施設の方も、介護のやりがいは、レクリエーションの時、利用者の方がとてもいつもと違う良い表情を見せて下さると言っていましたが、それがとても良く分かりました。 施設見学に行って、介護福祉士になるためには技術だけが仕事ではないという事を学んだので心も磨いてがんばっていこうと思いました。 |
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「様々な福祉機器を見て」 | 1年 佐藤 里美 | |
今回国際福祉機器展では私が障害者、又その介護者や家族の立場になった時買ってみたい、使ってみたいと思う所はどこだろうと考えながら、見学に望んでみました。しかし、あまりの種類の数に圧倒され目移りするばかりで視点がなかなか定まりませんでした。そんな時、車椅子に乗った障害者が沢山この機器展に来ている事に気付きました。そして、その車椅子に目を向けてみると持ち主によって模様や絵が異なり、持ち主の個性が現れていました。思えば、人は何かを購入する時にデザインに中心をおき、楽しむのでしょう。そこで、私は、さまざまな福祉用具のデザインを見てみました。車椅子にはカラフルな色があり、アームレストの部分など木の素材や布の素材が使われており、食器においても思っていた以上に色やデザインがあり楽しんで見る事が出来ました。 次に私が気付いた事はさまざまな福祉用具の機能性でした。食器や車椅子の機能の違いについては授業で少し知っていましたが、今回の見学ではkokuyoから沢山の文房具用品の福祉用具とその機能性を知りとても驚き、感動してしまいました。特に、片手使用の人のための用具がよく考えられておりファイルはワンタッチで開けられ、ホチキスは置いて閉じる事が出来るよう安定されていました。またハサミの開閉がスムーズにいくようにバネによって自動的に開くようになっていたり、持ちやすいようにカーブの曲がり具合など変えてあったりと工夫がされていました。このように、文房具においても工夫された用具が沢山ある事を知り他の福祉機器の機能についても見てみることにしました。その結果からその用具によってもいろいろな工夫がされており、この用具があったら便利だろうと思うものがいろいろありました。 そして機能性については、特に私の祖母が足が不自由なため、それにあった用品に目を向けてみました。立位のしやすい用具においては価格は10万辺りのものが多く購入は難しいですが自動的に椅子の座面が上がり立位がしやすい椅子やトイレの便座があり惹かれました。また、座位や寝ている状態の多い祖母に床ずれ予防や座りやすさや寝やすさにおいて見てみるとクッション製の優れたものがいくつかあり、いろいろな素材を使用してその機能性を高めているようでした。また、靴の履きやすさや歩行のしやすさについて見てみるとファスナーの持ち手が大きかったり履き口が広く開口されたり滑り止めが工夫されたりしており、このような靴なら介護者が履かせやすく転倒防止になると思いました。 その他まだまだ機能性の優れた福祉用具がある事、利用者が自立して生活しやすいものが沢山あり驚くことばかりでした。しかし、しやすさばかりにとらわれていると逆に機能の低下につながってしまうのでしょう。そのため、その利用者にあった介護用品と利用者の好む素材やデザイン選びをしなければならないと思いました。 |
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