老人福祉論

苅安 達男

 

T.講義概要

 

 1.履修の意義

   高齢者の実態、老人福祉法、老人保健法、介護保険法等の実務を学習する。

2.履修内容

   別紙授業計画に示した講義内容に基づいて行う。

   我が国は世界一の超高齢社会を迎えたが、高齢者の実態と各種福祉、保健施策の歴史的な流れと社会保障の構造改革の一環として制定された介護保険法の制度論と実務を詳細に学習し、介護福祉士としての力をつけることが肝要である。また、高齢者の最も関心の高い老人医療、年金制度等の現況と改革の方向を正しく理解できるよう学習する。さらに、社会福祉法に基づく権利擁護や苦情処理の問題についても利用者の立場にたった学習を行っていくこととする。

3.授業方法

   講義形式と質疑、討論を併用して学習していく。

 

 

U.教材やテキスト及び参考文献

1.  指定の教科書(講師作成)を使用する。

2.  各種介護福祉士養成講座の老人福祉論、介護保険法の解説書等

3.  医療保険制度や年金制度に関する最も新しい解説資料等(個別に配布)

 

 

V.評価方法と基準

  この科目の評価は @授業態度・出欠状況 A定期試験により総合評価を行う。

 

 

W.履修上の留意事項

1.指定の教科書は授業の際、必ず持参すること。

2.  別途配布する資料は正しく整理して必ず保管しておくこと。


授業計画

テーマ

授業項目

授業内容

授業の準備

はじめに

授業の概要

授業の計画、参考文献、評価の方法

シラバスに目を通してくる。

高齢者の像

高齢者の定義

高齢者の存在意義、高齢者の理想像

教科書に目を通してくる。

高齢者の実態

各種調査と報告

少子高齢社会と家族構造の変化

高齢者の生活、所得、疾病の実態

高齢者の福祉ニーズの変遷と課題

老人福祉法

法の目的・理念

 施策の発展

 財源の確保

法制定の経緯と発展の過程

老人福祉施策の発展と社会資源の活用

国の財政、地方財政、高齢者の負担

老人福祉法に目を通してくる。

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老人保健法

法の目的・理念

 施策の発展

 財源の確保

高齢者負担

法制定の経緯と政治経済の影響

老人保健施策の発展と長寿社会

国の予算と拠出制の問題(各医療保険制度)

高齢者の一部負担制度の変遷と問題

老人保健法に目を通してくる。

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社会福祉法

法の理念

利用者の権利

支援費支給制度

社会福祉の構造改革の狙いと課題

各種権利擁護制度(高齢者の人権)

措置制度から支援費制度への転換(介護保険との関係)

社会福祉法に目を通してくる。

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福祉サービス

在宅福祉サービス

施設福祉サービス

生きがい対策

目的と種類、内容

目的と種類、内容(ゴールドプラン)

生きがい、健康づくり、老人クラブ活動

ゴールドプラン、老人クラブ活動の事例を調べてくる。

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介護保険

制度の目的

運営と財源

 

保険給付

利用の手続き

介護報酬

事例研究

社会保障の構造改革の狙い

実施主体と財源の区分

保険料の決定と減免の問題

保険給付の種類と内容(特別の給付)

介護認定と問題

算定の考え方とモデル計算の事例

一人暮らし老人、寝たきり老人、

痴呆老人に関する具体的な事例

介護保険法、同施行法に目を通してくる。

自分の市区町村の介護保険の広報パンフを調べてくる。高齢者白書に目を通して

くる。

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関連施策

シルバーサービス

医療保険制度

 

年金制度改革

 

就業、雇用

民間事業者(指定事業者)の動向

医療保険制度の改革の方向

国民医療費の動向と財政問題

年金制度の現況と改革の方向

女性と年金制度の諸問題

高齢者の生きがい就労、雇用問題

シルバーサービス展の資料を調べてくる。

年金制度の特色や問題点を調べる。(マスコミ関係)

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住宅、税制

生涯学習

高齢者の住宅政策、税制の変遷

高齢者の生きがいと生涯学習

身近の高齢者の生きがい例を調べてくる。

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試験

 

現今最も重要な政策と課題

介護福祉士として必須の学習課題