家政学概論(家庭生活の経営と管理,栄養と調理)
戸田 美穂
T.講義概要
1.履修の意義
家庭生活の経営と管理について理解する能力、食生活の意義を理解させ管理する能力を養う。
2.履修内容
【家庭生活の経営と管理】
@
家族・家庭生活の現状
A
家族周期と生活設計
B
生活時間と家事労働・介護労働
C
家庭経済と消費生活
【栄養と調理】
@
栄養素の機能と身体の機能
A
食生活と栄養・健康
B
食品の分類と特性
C
食品の加工と保存および衛生管理
D
献立と調理
E
老人・障害者の栄養と調理
F
調理器具・設備・エネルギー源
3.授業方法
テキスト・資料などを用い講師による講義が中心である。テキスト・配布された資料に記載されていない事項については板書する。毎回、授業の終わりに小テストを行う。
U.教材・テキスト
新版介護福祉士養成講座G/家政学概論(中央法規)
栄養計算CD-ROM付き ヘルシーデータ食品成分表(教育図書)
V.評価方法や基準
@授業態度・出欠状況 A小テスト B夏期レポート課題 C定期試験
W.履修上の留意事項
遅刻・欠席・私語・忘れ物を慎む。
授業計画
回 |
テーマ |
授業項目 |
授業内容 |
授業準備 |
1 |
はじめに |
家政学を学ぶ意義 |
家政学とは何か。家政学と介護との関係を知る。 |
シラバスに目を通してくる。 |
2 |
家庭生活の経営と管理 |
家族・家庭生活の現状 |
「家庭」や「家族」といったキーワードを中心に過去から未来へ変わりつつある家庭生活について考える。 |
高齢社会に至った要因を考える。 |
3 |
家族周期と生活設計 |
人間の一生における生活の流れについて考える。 |
自分のライフコースを考える。 |
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4 |
生活時間と家事労働 |
自分の生活時間と消費エネルギー量を把握する。また家事労働や介護労働の能率化について学ぶ。 |
生活時間調査を行う。 |
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5 |
家庭経済と消費生活 |
家庭経済は市場経済や公共経済と深く関わっている。安定した家庭経済の在り方について考える。 |
家計のしくみ(教科書参照)を理解する。 |
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6 |
栄養と調理 |
栄養素の機能 |
炭水化物・たんぱく質・脂質の機能について学ぶ。 |
五大栄養素とは何か。 |
7 |
栄養素の機能 |
ビタミンの機能について学ぶ |
ビタミンとは。 |
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8 |
栄養素の機能 |
無機質の機能について学ぶ |
無機質とは。 |
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9 |
食生活と栄養・健康 |
「食事とは」、「健康とは」をキーワードとし、食事の意義や現代の食生活の問題点について考える。 |
戦後約20年間の食生活と現代の食生活で異なる点とは何か。 |
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10 |
身体の機能 |
口から食べたものが便として排泄されるまでのからだの仕組みを学ぶ。 |
教科書の「消化吸収」の部分を読む。 |
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11 |
食品の分類と特性 |
食品の分類とその特性を学ぶ。 |
食品の種類を考える。 |
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12 |
食品の分類と特性 |
植物性食品と動物性食品 |
教科書を読む。 |
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13 |
食品の加工と保存および衛生管理 |
加工による食品の変化や保存方法について学ぶ。また、食中毒や添加物など食品の安全性について考える。 |
食中毒とは何か。 |
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14 |
試験 |
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15 |
まとめ |
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16 |
栄養と調理 |
献立と調理 |
様々な調理法や調理よる食品の変化について理解する。 |
米は硬いのに、ごはんはなぜ軟らかいのか。 |
17 |
献立と調理 |
献立作成の手順について学ぶ。 |
良い献立とは。 |
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18 |
献立と調理 |
実際に献立をたてディスカッションを行う。 |
一日の献立を考える。 |
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19 |
老人・障害者の栄養と調理 |
高齢者の心身の特性を知った上での適切な食生活を考える。障害者においては障害の進行や悪化を予防、遅延し快方に向かわせる栄養調理について学ぶ。 |
人間は加齢とともに油を好まなくなるのはなぜか。 |
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20 |
食事と生活習慣病 |
生活習慣病と食生活の関係について学び、適切な食生活について考える。 |
塩分の過剰摂取は体にどう影響するか。 |
家政学概論(被服)
松梨 久仁子
授業計画
回 |
テーマ |
授業項目 |
授業内容 |
授業の準備 |
21 |
被服生活 |
被服の役割と機能 |
被服の多様な役割と着用目的を理解して、それに応じた機能を持つ被服の選択方法を学ぶ。 |
シラバスを読んでおく。 |
22 |
被服の素材および素材の加工 |
被服の基本となる被服材料について学ぶ。繊維の種類について解説し、布の成り立ちと布の性質についても理解する。 また、快適さや実用性を高めるために行われる繊維の改善加工の種類と、その特徴を学ぶ。 |
自分が身につけている衣服が、どのような布から作られているのか確認しておく。 |
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23 |
繊維製品の品質表示 皮膚の衛生と被服の安全性 |
取り扱い絵表示や組成表示等の品質表示について正しく理解する。 被服と皮膚衛生の関係について解説し、衣料障害の原因と被服の安全性について学ぶ。 |
衣服に付いているタグを見て、ノートにうつしてくる。 |
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24 |
被服の選択と管理 |
既製服を購入する際に必要となるサイズ表示法について解説する。 さらに、被服を洗濯する際の手順や洗剤、漂白剤の種類と使用法について理解し、保管する際の取り扱いに関する注意事項や廃棄について学ぶ。 |
普段洗濯を行う際に気をつけていることを書き出しておく。 |
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25 |
高齢者と障害者の被服 |
高齢者と障害者の被服は、身体の機能低下に応じて選ぶことが要求される。ここでは加齢による体型や生理的変化および障害者の個々の症状に応じた被服や寝具などについて学ぶ。 また介護のための被服についても言及する。 |
『第3章被服生活 4.高齢者,障害者の衣服』を読んでくる。 |
家政学概論(住居)
篠田 弘子
授業計画
回 |
テーマ |
授業項目 |
授業内容 |
授業の準備 |
26 27 28 29 30 |
住生活 |
1.住居の役割と 機能 2.生活行動と 生活空間 3.快適な室内環境 4.住居の管理と 安全 5.高齢者、障害者と住居 |
住宅は、建物一般に要求される雨風を凌ぐ物理的な構造物であるだけでなく人間が生み育てられる人間形成の場である。そこでは家族が寝食を共にでき肉体的精神的安らぎの場所として保証されなければならない。 時代の変化と共に、住居を取り巻く環境にも大きな変化が生じている。その中で良好な居住性を確保するには、どのような解決方法があるのかを探る。 住居はそのなかで繰り広げられる様々な生活に対応できるような空間を備えていなければならない。 つまり、その用途に合った、寝室
居間浴室 台所 トイレなどである。しかし人はその中で成長し変化してゆき、家族の形態や生活の内容も、それにつれ変化する。そうした変化し続ける生活に空間もまた対応させなければならない、その方法を探る。 快適さの指標は、暑さ寒さを防ぐことから、良好な通風や、明るさ日照、そして騒音防止に至るまで多岐に渡る。地域の気候風土特性に合わせた温度、湿度、採光、換気のコントロールなど建築設備の概要を学ぶ。 地球規模で不足することが予想される資材のことや、維持管理の良否が地震や風水害への安全性を左右する。 丹念な営繕管理は建物を長持ちさせ、使い捨ての悪習を断つことに繋がることを学ぶ。さらに生活上の事故防止、防災への対策や、通報設備システムの概要を解説する。 高齢者、障害者ほど行動範囲が狭くなりがちであり、自身の家で過ごす時間が長くなる。身体機能に差があっても限りなく健常者に近い生活が送れるような配慮とは、を問い高齢者、障害者に使い安い機能は、健常者にも使いやすいはずであるという、バリアフリーの精神をさらに進めた、ユニバーサルデザインの思想を学ぶ。 |
お城、高層マンション、長屋、庭付き一戸建てを頭に浮かべ、自分がどんな所に住みたいか、その理由とともに考えてくる。 自身の現在の生活の状況から、家族との関係などを思い起こし、今後どのような暮らしを望むかを考えてくる。 自身の生活を取り巻く設備の効用について、又更にあったら良いと思われる設備について考えてくる。 セキュリティーとはどんなことか、自身の家でされている配慮などについて考えてくる。 ユニバーサルデザインとはどんなことか、日頃から街や家で目にするものから考え、理解してくること。 |